☆その4~ とりあえずやっちまえっ!
さあ、地元の力強いブレーンも見つかり、手続きを粛々と進め始めたら、また新たなハードル。チケットを売りたいのだが、どうすれば効率良く売れるんだ?こんな事まで知らない自分が腹立たしい。ポスター・フライヤーにQRコードを付けて、私個人が手売りすることで決着するが、将来的には誰か後進に譲る事を考えれば、きちんとルールを決めないと、ボランティアという名の無料奉仕は身が持たない。これは今でも未解決のままです。

PRする場所、ポスター掲示場所をどうするか手探りで、私と出演者とおパパの三人で集まって無い知恵を絞りだす。利府駅と役場と文化センターリフノスの三か所に掲示、リーフを置かせてもらう。何をするにも分からないので公共交通で懇意にしてもらっている部署に教えてもらう。ある幹部からは「気持ちは分かりますけど、絵にかいた餅は、ご協力出来る部分は限られます。我々は実績のある方にはそれなりにご援助できますよ」嫌なヤツだなと思いましたが、後から思い直すと、あちらにしてみればしごく当然の話ですよね。それでも「六華亭遊花」のネームバリューは地元宮城では大きく、チケットも売れ始まり、おパパの提案で町内会を限定して、無料の出張出前トークショーを4ヶ所で開催するが、その前に50席が完売となり、急遽20席追加するという嬉しい誤算もありました。
この取り組みは、昨年9月28日付の河北新報に掲載され、チケットが売れないだろうと予測していたので、自分の携帯番号を晒しても売り切る覚悟でした。掲載翌日から一日5本くらいの電話があり、チケット完売の苦しい言い訳を伝えながら、次はもっと大きな場所だなと考えながら、まだ一度も開催していないのに次回の心配をするという能天気な話でした。
何とか2023年10月2日(月曜日)10時半開演で、65名のお客様にプロの話芸を聞いていただく事が出来ました。主演は、落語芸術協会・三遊亭遊三一門の真打ち「六華亭遊花」師匠、ひざがわりの色物は地元の漫才コンビ「まつトミ」ともに女性の出演者で、月曜午前中という状況。90%が女性客で、満員御礼大盛況でした。

 締めの挨拶には、早々と完売御礼札止めにした事で、見たくてもチケットが無くて寂しい思いをしたとの反省から、更に大きな会場で第二回目を行うことを口頭で約束させられ、嬉しい悲鳴と、公演中にお客様がにこやかに、高らかに大声で何度も笑って頂ける喜びを、主催した側の幸せをいただきました。 
さて、二回目も波瀾万丈のエピソードがあるのですが、紙面の都合で少しだけ。一回目が終了し、支払いを済ませて貸借対照表を作成し、付随資料を持って役場に行き「利府町公益活動団体」の申請をし、2日後に町長名で承認が降り、この資格があれば前段で書きました有料開催の場合の使用料5倍ルールに対し8割の減免が適用されます。これがまさに、実績があればお手伝いできますよ、の答えでした。
開けて本年1月21日(日曜日)10時半、主演は「六華亭遊花」、色物は太神楽(だいかぐら)お馴染みなのは海老一染之助・染太郎の大道芸でしょうか。女性の太神楽は珍しく、海外まで公演に行かれる「鏡味味千代」さんが、お忙しい中東京より駆けつけて頂き、正月にふさわしい芸を披露頂きました。大雨そして強風のなか100名以上のお客様に楽しんでいただけて、私も更に幸せになりました。公益活動団体は「利府寄席実行委員会」と称し、名誉顧問に元利府町議の女性に立って頂き、代表を私が、ユーチューバーとNPO法人の代表、そして民間企業の部長職の方にも名を連ねて頂き、この会報がお手元に届くあたりの、5月18日(土曜日)六華亭遊花と、漫才の若手、地元出身のニードルの二組に、ゴールデンウイーク後の寂しい懐を、笑いで温めてもらうべく、邁進してまいります。

 この辺で笑いで最期を締めたいと思います。寄席を開催して一番嬉しかった事、心が躍ったこと、それは《来ていただいたお客さんが、芸人さんがいつ「笑わせてくれるんだろうか?」と、キラキラ目を輝かせながら高座を見ている姿》これに尽きます・・・。 

では良き一年を!         (了)